師よ、おきかせ下さい
如是我聞
にょぜがもん
私はこのようにきかさせて頂いた
ところで師よ
求道者の道に向かう立派な若者や立派な娘は
どのように生活し
どのように行動し
どのように心を保ったらよいのですか?
世尊はこたえられた
「およそ生きもののなかまに含められるかぎりの生きとし生けるもの
卵から生まれたもの
母胎から生まれたもの
湿気から生まれたもの
他から生まれず自ら生まれ出たもの
形のあるもの
形のないもの
表象作用のあるもの
表象作用のないもの
表象作用があるのでもなく
無いのでもないもの
その他、生きもののなかまとして考えられるかぎり考えられた生きとし生けるものども、
それらのありとあらゆるものを
わたしは
【悩みのない永遠の平安】
という境地に導き入れなければならない。
しかし、このように
無数の生きとし生けるものを永遠の平安に導きいれても
実は誰ひとりとして永遠の平安に導き入れられたものはない」と。