死んだじーさんに言われたこと
以前
1人の80才の男性がよく私の仕事を手伝って下さりました
この男性はかつて
じーさんにお世話になっているので
恩返しの意味も含まれていたのであろう
よく手伝って下さりました
男性はいつも私にはお年を感じさせないで
気丈にふるまっていました
しかし
私は男性の「不安」を感じていました
男性には、うつ病の息子さんがいます
働く事が出来なくて家にいます
ある日
私はいつもの様に
じーさんの体をあんましていました
私はじーさんに言いました
「○○さん、80才ですがいつも私には気丈に振る舞っていますよ」
じーさん
「ああ」
私
「ですが、○○さんは
家にはうつ病の息子さんがいてますので
死ぬに死ねないんちゃいますか」
じーさん
「お前、それはもう
しょうがないぞ」
私
「ですのでね
その男性が死ぬ時に
『何かあればお寺に行け』と
息子さんに言ってあげて下さい
と、堂々と言えるお坊さんに
将来はちゃんと現実的に力のある
そんな住職になりたいです 」
と、私はじーさんに言った
私にあんまをされているじーさんは
カッと目を見開き
私をじっと見つめ
こう言った
「あんた、
今、
自分が吐いた言葉を忘れるな
絶対に忘れるな
ええか、世間の人に頼りにされる和尚になれるんやったら
別に修行になんか行かんでもいいからな」
慶俊